遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著で普遍的な価値」を持つ物件。
人々はそれを世界遺産と呼び、守り続けている。
ここ京都にも世界遺産がいくつかあって、どれも日本の歴史を語るには無くてはならないものばかり。
その中から今回は、金箔に包まれ豪華絢爛に輝く姿があまりにも有名な「金閣寺」の歴史背景から以外と知られていない見どころまでを紹介する。
■金閣寺の歴史
正式名称は「鹿苑寺」。遡ること鎌倉時代、藤原一族の藤原公経がこの地に西園寺を建立。
鎌倉幕府滅亡後、荒れ果てた西園寺を足利第3代将軍 足利義満が譲り受け、「北山殿」と呼ばれる大規模な邸宅を造営。義満は以降ここで政治の実権を握った。
足利義満の死後、遺言により北山殿は舎利殿(金閣)を残して解体され禅寺となった。禅寺の名前は義満の法名である鹿苑院殿から鹿苑寺と名付けられた。
■金閣寺の見どころ!
◇極楽浄土への舟旅!「陸舟の松」
樹齢はなんと約600年!義満が自ら自分の盆栽を手植えしたと伝えられている。その帆掛船のような美しい形は京都三松として知られている。
陸舟の松の舟先は金角のある西の方角に向いている。これはこの船で西方浄土(極楽浄土)を目指そうという発想から来たものだとも言われている。
◇黄金色に輝く「舎利殿(金閣)」
金色に輝く豪華絢爛な舎利殿。三層造りになっており、それぞれの層で異なる様式が採用されている。それを見事に調和させていているこの金閣は、室町時代前期の北山文化を代表する建築物として世界的にも有名。実際目の当たりにすれば思わず息を飲んでしまう美しさである。
一層は「寝殿造り」で『法水院』、二層は「武家造り」で『潮音洞』、三層は「禅宗仏殿造り」で『究竟頂』と呼ばれている。二層と三層には漆地に純金の箔が貼られ、屋根は椹(さわら)のこけら葺、頂上には金銅製の鳳凰が置かれている。
1950年には学僧の放火により焼失。しかし5年後の1955年には再建されている。
◇「鏡湖池」のある庭園で心落ち着かせる。
金閣寺の境内の半分以上を占めているのが、この鏡湖池をはじめとする庭園である。池の中には、日本を表しているといわれる葦原島の他に、鶴島や亀島など、大小様々な島々がある。その他にも、義満が諸大名から奉納されたといわれる名石も配されている。
出典;4travel.jp
その巧みな配置はとても幽玄な雰囲気を醸し出しており、水面に映る金閣と相まって素晴らしい景色を作っている。
今は生い茂る木々でその姿は見えにくくなっているが、西にある衣笠山を借景とした庭園は、室町時代の代表的な池泉回遊式庭園で国の特別史跡、特別名勝にも指定されている。
◇マイナスイオンたっぷり!「龍門滝・銀河泉・厳下水」
裏山にある龍門滝には、”鯉が滝を登ると龍になる”という中国の故事「登竜門」に因んだ鯉魚石が置かれている。
出典;kannkou.net
義満がお茶の水に用いたとされる銀河泉。現在でも水が溢れ出ている。
出典;castleinformation2.blog.so-net.ne.jp
義満が手洗いに用いたとされる厳下水。苔の生えた庵が竹の棒で支えられており、風情満点。
◇「安眠澤」で水神様にご挨拶!
金閣寺が開園する前からある池がこの安眠澤。鏡湖池の水もここが水源となっている。池の中央には、古来水の守り神として崇められてきた白蛇の塚が建てられている。
金閣寺境内で1番高いところにあるこの安眠澤。水が湧き出ている光景には、どこか神秘を感じる。
◇隠れ撮影スポット!「夕佳亭」から見る金閣
読み方は「せっかてい」。義満時代のもっと後、江戸時代の茶人である金森宗和が作った茶室を明治初期に再建したもの。
出典;s.webry.info
“夕日に映える金閣が佳(よ)い”という意味から名付けられた「夕佳亭」の裏手からは、金閣寺を間近に見下ろすことができる。金閣撮影スポットの1つでもある。
出典;yamasuki.com
◇年に2回だけ不動明王が出現?!「不動堂」の特別開帳
弘法大師の作と伝えられている「不動明王」が祀られている不動堂。その特別開帳と法要が年に2回だけ、節分と五山送り火のときにのみ開催される。
金閣寺のお不動さんは首から上の病気、特に眼病にご利益があると伝えられている。目に疲れを感じやすい方は是非、この特別開帳と法要のタイミングで訪れてみてほしい。
◇「金閣寺不動釜茶所」で一休み。
不動堂すぐ近くにあるお茶所。
出典;s.webry.info
抹茶と和菓子がセットで500円。歩き疲れた身体に甘い和菓子と熱い抹茶が染み渡る。晴れた日は外の赤毛氈&番傘でのんびり。
◇境内の売店でここにしかないオリジナルグッズを買おう!
京都の銘菓やお守り・キーホルダー等が買える売店。仕事を選ばないで有名なキティーちゃんと金閣寺の限定グッズも売っている。
出典;geocities.jp
■マップ&アクセス
◇市バス
バス停 金閣寺道 下車、徒歩1分
■基本情報
◇店舗HP:shokoku-ji.jp
☎︎電話番号:075-461-0013
🏠住所:〒603-8361 京都市北区金閣寺町1
💰料金:大人(高校生以上)400円 小・中学生 300円
🕐拝観時間:午前9:00〜午後5:00
🎌定休日:年中無休
🅿️駐車場:あり
時を超えて蘇った、金閣。
黄金色に輝き四季折々で魅力が変わるその姿は、過去の栄華を感じさせてくれる。
RECOMMENTED by おげおげ;コトるぽWRITER